【読書】『お金の減らし方』

徒然に

最近読んだ本です。「お金の減らし方 森博嗣」
最初、びっくりしたタイトルだけど、読んでみたら面白いし内容も納得。

「お金の減らし方」というタイトルですが、内容はより良いお金の使い方、という感じでしょうか。

森さんは工学博士、大学の教授ということですが、そのお給料だけでは、好きな鉄道模型を広い場所で走らせることができず、考えた結果、空いた時間でできる小説を書くという仕事を始めたとのこと。思いがけず最初に書いた小説が本になり、お金になったそうです。

こんなこともちろん滅多にはないと思いますが、森さんは、必要なものはなるべく買わず欲しいものを買うのが大切と言っています。どれぐらい必要かではなく、どれぐらい欲しいのか。自分が欲しいものにお金を使うことが自分にとって最も価値がある、と。

これは一般的に世間で言われていることと逆な感じですが、言われてみると、たしかにそうだなと思いました。
有限の人生の中で、何にお金を使うことが幸せなのか、一旦立ち止まって考えてみるのも大事だなと思います。

世間の常識や他人の価値感に惑わされることなく、本当に自分が欲していて手に入れたらこの上なく満足するもの。

ちなみに森さんの欲しいものはシンプルです。広い場所で鉄道模型を走らせたい。家、車(ポルシェ)など。

他の人は欲しいなとは言っていても買うまではいかない。。
それは本当に欲しいのではないんだろうとおっしゃいます。本当に欲しかったら何をおいても買うはずだと。
もちろんそれだけのお金がなければ自分は買うことを考えることもしないが、お金を持っていてもそのような人は買わないのだと。。

そして自分が欲しいものに敏感な人はお金持ちになれるともおっしゃっています。
自分が欲しいものがわかっているとそのための情報にも敏感になれるので

最近、どんな人生が一番幸せと言えるのだろうか、ということをよく考えます。

結婚する前はただ与えられた仕事をこなし、同僚とお酒を飲み、結婚して子どもが産まれてからは子育てやパートに追われて、ただひたすらに日常をこなす毎日でした。

でも子ども達にもっと家に欲しいと言われパートを辞め、かといって子ども達もそこまで手がかからない年齢になってきた今、家の中を見回すと、小さい時からの物や写真も整理することなくずっと溜め込んでいて雑然としてただ日々を重ねていたことに気づきました。

そして何となく節約して(つもりになって?)つつましく生活していましたが、果たしてどのような生活が本当に幸せなのだろうか、と。

ようやく少しづつですが写真の整理もはじめて、小さな頃の写真や作品や手紙が出てきて眺めたりしていると、あの頃はとてもかけがえのない時間だったなぁと今さら思い、胸がキュッとなります。

子どもが小さい頃、親子でお出かけしていると、街ゆくおばあちゃん達が「今が一番いい時ねぇ」と言っていた意味が今になってよくわかります。その時はお出かけひとつするのも大変、と思ったりしていましたが。

きっと3年後、5年後、10年後も今の写真を見たりして思い出すと同じようなことを思うのだろうなと思います。

自分は何が一番大事かなぁと考えてみると、やはり子ども・家族と過ごす時間です。そして家族は喜んで笑ってくれること。
その時間をいかに幸せに過ごすか。。
あと数年したらもう子ども達は自立していなくなってしまうんだろうなと考えるとほんとに胸が痛くなります。
今までは日々に追われてそんなこと思いもしなかったのに。。

自分の親、世の親たちはどうやってそれを乗り越えていったんだろうと考えて、「卒母」とかで検索しまくったりしていますが。。今のところ結論は出ていませんが。

そんなことを考えたりすると、ますます今のこの時、可愛い子どもたち(もちろん旦那さまも)が一緒に過ごしてくれる、この一瞬一瞬を大切に過ごして、悔いないように暮らしていきたいと思います。

最後は、お金の使い方というより時間の使い方?のような話になりましたが。。

でも、お金も時間も自分の大切な人生の中でどうやって使ったら幸せになれるのか、と考えたら同じかな。

森さんは本の中で、「欲しいものと、必要なものを、少し整理してみてはいかがだろうか。」と言っています。
 もし、自分が欲しいんものがわからないという方は、一ヶ月くらい、スマホの電源を切っておくだけで少しわかるかも、と。孤独を感じる時間を、もっと大事にすれば、わかるかもしれない、と。

私もこれからも、ほんとに自分が欲しいものは何かとずっと考えていきたいと思いました。

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